
【歯科クリニック向けタイプ別】自動釣銭機、自動精算機の選び方
日々歯科クリニックを経営されている先生方の中には、時代に合わせて自動精算機やセミセルフレジの導入を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自動精算機を導入する理由や目的は、クリニックによって異なります。
人手不足を解消したいのか。
会計業務を自動化したいのか。
レジ締めや違算の負担を減らしたいのか。
患者さんとの接点や受付導線を見直したいのか。
目的によって、選ぶべき機器や連携方法は変わります。
そこで今回は、医療機関向け自動精算機メーカーでの経験を持ち、現在は医療機関の運営改善を支援している株式会社REFOLMO代表の川越さんにお話を伺いました。
本記事では、「ヒト・モノ・金・環境づくり」の観点から、歯科医院が自院に合った自動精算機・セミセルフレジを選ぶための考え方をお伝えします。
株式会社REFOLMO 代表取締役
川越雄太医療機関向け自動精算機において国内シェアNo.1クラスのメーカーにて、営業部門・マーケティング部門の立ち上げ、および経営企画を担当。その後、自費・オンライン診療クリニックにて事務長/COOとして経営に参画し、売上設計、業務フロー構築、DX導入、採用・育成までクリニック運営全体を横断して担当。現在は株式会社REFOLMO代表として、医療機関の運営改善・業務改善・オンライン診療立ち上げ支援を行うほか、「医療を構造から再設計する」をテーマに医療経営メディア「REFOLMO Med」を運営している。
目次[非表示]
- 1.自動精算機・セミセルフレジの種類一覧
- 2.【お悩み別】歯科医院が自動釣銭機・自動精算機の選び方とポイント
- 2.1.【ヒト|人手不足】人手不足を解決したい場合
- 2.2.【ヒト|人手不足】患者さんへの接遇に力を入れたい場合
- 2.3.【ヒト|人手不足】会計業務を自動化したい場合
- 2.4.【モノ(機能充実)】電子カルテやレセコンと連携させたい場合
- 2.5.【モノ(機能充実)】キャッシュレス決済を導入したい場合
- 2.6.【金(残業代/人件費)】レジ締めにかかる時間を軽減したい場合
- 2.7.【金(残業代/人件費)】残業時間を減らしたい場合
- 2.8.【金(残業代/人件費)】違算をなくしたい場合
- 2.9.【金(残業代/人件費)】とにかく安い製品を導入したい場合
- 2.10.【環境づくり】感染症対策など衛生面を徹底したい場合
- 2.11.【環境づくり】移転・リニューアルのタイミングで導入したい場合
- 3.自動精算機・自動釣銭機 お悩み・目的別比較表
自動精算機・セミセルフレジの種類一覧

■自立型自動精算機(画像左)
置き場所を比較的自由に設計できるタイプの自動精算機です。
患者さんが自分で会計を行うため、受付スタッフの会計対応を大きく減らしやすい点が特徴です。会計業務を受付から切り離したいクリニックや、患者さんの会計導線を整理したいクリニックに向いています。
■卓上型自動精算機(画像中央)
受付カウンター上に設置するタイプの自動精算機です。自立型と比べて省スペースで導入しやすく、既存の受付レイアウトを活かしながら会計業務を効率化しやすい点が特徴です。
■セミセルフレジ(画像右)
スタッフが会計金額を確定し、患者さんが現金投入やキャッシュレス決済を行うタイプです。
完全に会計業務を手放すというより、金銭授受や違算リスク、レジ締めの負担を軽減するための選択肢と考えると分かりやすいです。
患者さんとのコミュニケーションを残しながら、現金管理の負担を減らしたいクリニックに向いています。
【お悩み別】歯科医院が自動釣銭機・自動精算機の選び方とポイント
【ヒト|人手不足】人手不足を解決したい場合

インタビュアー:
クリニックが自動精算機を導入する理由として、「人手不足を解消したい」という声は多いと思います。
受付スタッフの仕事は、患者さん対応、電話対応、予約管理、会計業務まで多岐にわたります。
人手が足りないクリニックでは、日々の受付業務だけでも大きな負担になっているかと思いますが、そのような「人手不足を解決したい」クリニックには、どのような製品が向いていますか?
REFOLMO川越:
人手不足が課題の場合は、自動精算機が選択肢になりやすいです。
受付業務の中でも、会計は意外と時間と集中力を使う業務です。金額確認、お金の受け渡し、領収書の発行、レジ締めなどが重なると、受付スタッフが本来対応すべき患者さんへの案内や電話対応に十分な時間を使えなくなることがあります。
自動精算機を導入すると、会計業務の一部を受付から切り離すことができます。
その結果、少ない人数でも受付業務を回しやすくなり、スタッフさんの負担軽減にもつながります。
また、単に「機械を入れている」ということではなく、スタッフが働きやすい業務設計を整えているクリニックであることは、採用や定着の面でもプラスに働くことがあります。
インタビュアー:
人手不足といっても、単に人を増やすだけではなく、受付業務そのものを見直すことも大事なんですね。
【ヒト|人手不足】患者さんへの接遇に力を入れたい場合

インタビュアー:
人気の高い歯科クリニックは、患者さんへの接遇にも力を入れていますよね。
一方で、スタッフさんが日々の業務で手一杯だと、患者さんへの説明や声かけに十分な時間を使えないケースもあると思います。
コンビニの数よりも歯科クリニックの数の方が多いと言われる時代に、接遇は選ばれるクリニックになるための重要な要素だと思うのですが、接遇に力を入れたいクリニックにはどの製品が向いていますか?
REFOLMO川越:
患者さんへの接遇に力を入れたい場合は、自動精算機・セミセルフレジのどちらも選択肢になります。
大切なのは、機械化そのものではなく、スタッフさんの時間をどこに使うかです。
人がやらなくてもよい金銭授受や会計処理を機械に任せることで、スタッフさんが患者さんと向き合う時間を確保しやすくなります。
たとえば、受付スタッフさんを単に会計対応の担当者としてではなく、患者さんをトータルでサポートする「コンシェルジュ」のような役割として位置づけているクリニックもあります。
会計業務を効率化することで、患者さんへの説明、次回予約の案内、不安のヒアリングなど、人が対応する価値の高い業務に時間を使いやすくなります。
インタビュアー:
機械ができることは機械に任せ、人間ができることをしっかり考えて行けばいいんですね。
【ヒト|人手不足】会計業務を自動化したい場合

インタビュアー:
日々の会計業務は、受付スタッフさんの負担が大きい作業のひとつですよね。
自動精算機を導入していないクリニックでは、お金の受け渡しミスが起きたり、締め作業に時間がかかったり、金額が合わなかった原因を探すために残業が発生したりすることもあります。
金銭に関わる業務はスタッフさんの精神的な負担も大きいと思います。
「会計を自動化したい」と考えるクリニックには、どのような製品が向いていますか?
REFOLMO川越:
会計業務を自動化したい場合は、データ連携ができる自動精算機が向いています。
データ連携型の自動精算機では、レセコン入力が完了すると、会計情報が自動精算機に共有されます。
そのため、レセコン入力以降の会計業務を受付スタッフが手作業で行う必要が少なくなります。
お金を数える作業や金銭の受け渡しが減るため、スタッフさんの精神的負担も軽減しやすくなります。
ここで重要なのは、「違算をなくしたい」のか、「会計業務そのものを受付から切り離したい」のかを分けて考えることです。
違算対策が主目的であればセミセルフレジでも対応できますが、会計業務全体を自動化したい場合は、データ連携型の自動精算機を検討する方がよいと思います。
【モノ(機能充実)】電子カルテやレセコンと連携させたい場合
インタビュアー:
自動精算機と電子カルテ、レセコンを連携させることで会計情報を管理したいとお考えの先生も多いですよね。
自動精算機で会計情報を管理することで日次の集計が楽になり、スタッフの負担を減らしたいとお考えの先生方におすすめの製品はありますか?
REFOLMO川越:
電子カルテやレセコンと連携させたい場合は、データ連携が可能な自動精算機・セミセルフレジを検討するとよいです。
自動精算機の連携方法には、大きく分けて「バーコード連携」と「データ連携」があります。
データ連携では、「誰が・いつ・どの方法で会計したか」といった入金情報を管理しやすくなります。
また、領収書や明細書の発行、保険証や加算の変更などによって請求金額が変わった場合の確認もしやすくなります。
一方で、バーコード連携は、レセコンから出力した領収書などを使って会計情報を読み取る方法です。
比較的導入しやすい一方で、入金情報の管理まではできないケースもあります。
そのため、単に会計をスムーズにしたいのか、入金情報まで管理したいのかによって、選ぶべき連携方法は変わります。
インタビュアー:
機器そのものだけでなく、連携方法まで見て選ぶ必要があるんですね。
【モノ(機能充実)】キャッシュレス決済を導入したい場合

インタビュアー:
最近はキャッシュレス決済を導入する歯科クリニックも増えていますよね。近隣のクリニックでキャッシュレス決済が始まると、自院でも対応を検討した方がよいのではないかと考える先生も多いと思います。
キャッシュレス決済を導入したいクリニックには、どのような製品が向いていますか?
REFOLMO川越:
キャッシュレス決済を導入したい場合は、キャッシュレス決済に対応している自動精算機・セミセルフレジが選択肢になります。
現在は、多くの自動精算機・セミセルフレジがキャッシュレス決済に対応しています。
そのため、比較する際には「対応しているかどうか」だけでなく、手数料率や運用方法も確認することが大切です。
キャッシュレス決済の手数料率は、メーカーや決済サービスによって異なります。
一般的には1.5%〜3%台の間で設定されているケースが多く、手数料は継続的に発生するランニングコストになります。
患者さんの利便性だけでなく、月間の決済額に対してどの程度のコストになるのかも含めて検討するとよいと思います。
【金(残業代/人件費)】レジ締めにかかる時間を軽減したい場合

インタビュアー:
多くのクリニックでは、一日の業務が終わったあとに、その日の売上を集計し、レジ内の現金やクレジットカードの金額と一致しているかを確認する「レジ締め」が必要になります。この作業は意外と煩雑で、金額が合わないと原因を調べるのに時間がかかったり、スタッフさんのストレスになったりします。
レジ締めの負担を軽減したいクリニックには、どの製品が向いていますか?
REFOLMO川越:
レジ締めにかかる時間を軽減したい場合は、自動精算機・セミセルフレジのどちらも選択肢になります。
現金を手で数えている場合、計数機能がある機器を導入するだけでも、締め作業の負担は軽くなります。
また、売上金のみを出金できる機能がある自動精算機であれば、レジ締めの作業をさらに効率化できます。
レジ締めは、患者さんからは見えにくい業務ですが、スタッフさんにとっては大きな負担になりやすい部分です。
日々の数十分の積み重ねが、残業や疲弊につながることもあります。
そのため、導入効果を見る際には、会計中の時間だけでなく、診療終了後の締め作業まで含めて考えることが大切です。
【金(残業代/人件費)】残業時間を減らしたい場合
インタビュアー:
「日中の患者さん対応が忙しく、締め作業にも時間がかかり、どうしてもスタッフが残業せざるを得ない」という歯科クリニックもありますよね。
残業が常態化すると、スタッフさんの疲弊や離職にもつながりかねません。
そのような状態を防ぐには、どのような製品が向いていますか?
REFOLMO川越:
残業時間を減らしたい場合は、データ連携型の自動精算機が有効な選択肢になります。
自動精算機を導入すると、会計待ち時間を短縮しやすくなり、診療終了後に会計処理が長引くことを抑えやすくなります。
さらに、データ連携によって入金情報の管理や締め作業が効率化されると、診療後の作業時間も短くなります。
残業を減らすためには、単に「早く帰りましょう」と声をかけるだけでは不十分です。
残業が発生している業務構造を見直す必要があります。
会計処理やレジ締めが残業の原因になっている場合は、自動精算機の導入によって、スタッフさんの満足度や定着にも良い影響が期待できます。
経営面でも、人件費や残業代の抑制につながる可能性があります。

【金(残業代/人件費)】違算をなくしたい場合
インタビュアー:
人の手で会計処理をしていると、おつりの渡し間違いなどで違算が発生してしまうことがありますよね。
レジ締めのときに金額が合わないと残業になってしまいますし、原因確認のためにスタッフさんの負担も大きくなります。
違算をなくしたいクリニックには、どの製品が向いていますか?
REFOLMO川越:
違算をなくしたい場合は、自動精算機・セミセルフレジのどちらも選択肢になります。
違算対策だけを目的にするのであれば、自動精算機よりも費用を抑えやすいセミセルフレジでも対応できます。
機械がお金の計算を行うため、人為的なミスや金銭授受に対するスタッフさんの不安を減らしやすくなります。
一方で、会計業務そのものを受付から切り離したい場合は、自動精算機の方が向いています。
つまり、「違算をなくしたい」のか、「会計業務全体を自動化したい」のかを分けて考えることが重要です。
目的が明確になると、過剰な機能を選ばずに済みます。

【金(残業代/人件費)】とにかく安い製品を導入したい場合
インタビュアー:
自動精算機がどんなに便利で良いものでも、金額が高いとなかなか購入には踏み切れませんよね。最低限の機能やお会計ができればよい、一日の来院患者数がそこまで多くはないが、自動精算機の導入を検討されている方も多いと思います。そのような先生におすすめの製品を教えてください。
REFOLMO川越:
導入コストを重視する場合は、バーコード連携のセミセルフレジが選択肢になりやすいです。セミセルフレジは、自動精算機と比べて比較的安価に導入しやすい傾向があります。
機械の操作はスタッフさんが行うため、会計業務を完全に手放すことはできませんが、「違算をなくしたい」「締め作業を楽にしたい」という目的であれば、十分に効果を発揮するケースがあります。
また、連携方法によっても費用は変わります。
「誰が・いつ・どの方法で会計したか」まで管理できるデータ連携と比べると、レセコンから会計前に領収書を出力するバーコード連携の方が、導入費用を抑えやすい場合があります。
大切なのは、安いものを選ぶことではなく、自院の課題に対して過不足のないものを選ぶことです。
【環境づくり】感染症対策など衛生面を徹底したい場合

インタビュアー:
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、感染症対策や院内の衛生面を重視する患者さんも増えました。
受付での接触をできるだけ少なくしたい、現金のやり取りを減らしたいと考える歯科クリニックも多いと思います。
そのようなニーズには、どの製品が向いていますか?
REFOLMO川越:
金銭に触れる機会を減らしたい場合は、自動精算機・セミセルフレジのどちらも選択肢になります。
患者さん自身で精算処理を行うことで、スタッフさんと患者さんの間での現金の受け渡しを減らすことができます。
また、キャッシュレス決済を組み合わせることで、現金に触れる頻度をさらに減らすことも可能です。
感染症対策という観点では、機器そのものだけでなく、患者さんの動線設計も重要です。
どこで会計をして、どこに並び、どのように退店するのかまで設計しておくことで、受付まわりの混雑や接触機会を減らしやすくなります。

【環境づくり】移転・リニューアルのタイミングで導入したい場合
インタビュアー:
医院を移転・リニューアルするタイミングで、自動精算機を導入する歯科クリニックも数多くあります。家を新築すると新しい家電製品を入れるように、移転やリニューアルを考えている方は、これを機に自動精算機を設置して業務効率化とイメージアップを検討される先生も多い印象です。
移転・リニューアルのタイミングでおすすめの製品はありますか?
REFOLMO川越:
移転やリニューアルのタイミングでは、設置場所と患者さんの導線をセットで考えることが大切です。
自動精算機には、床に設置する自立型と、受付カウンターに置く卓上型があります。
自立型を置けるスペースがあるのか、卓上型を置くカウンター幅があるのかなど、レイアウト上の確認が必要です。
また、自動精算機を導入すると、患者さんの動きも変わります。
受付、診察、会計、次回予約、退店までの流れをどう設計するかによって、患者さんの使いやすさもスタッフさんの動きやすさも変わります。
そのため、単に機器を設置するだけでなく、運用部分まで相談できるメーカーや支援会社を選ぶとよいと思います。
自動精算機・自動釣銭機 お悩み・目的別比較表
お悩み・目的 | 自立型自動精算機 | 卓上型自動精算機 | セミセルフレジ |
|---|---|---|---|
人手不足を解決したい | 〇 | 〇 | × |
患者さんの接遇に力を入れたい | 〇 | 〇 | 〇 |
会計を自動化したい | 〇 | 〇 | × |
電子カルテやレセコンと連携させたい | 〇 | 〇 | 〇 |
キャッシュレス決済を導入したい | 〇 | 〇 | 〇 |
レジ締めにかかる時間を軽減したい | 〇 | 〇 | 〇 |
残業時間をなくしたい | 〇 | 〇 | 〇 |
違算をなくしたい | 〇 | 〇 | 〇 |
とにかく安い製品を導入したい | × | × | 〇 |
感染症対策などの衛生面を徹底したい | 〇 | 〇 | 〇 |
移転やリニューアルのタイミングで導入したい | 〇 | 〇 | 〇 |
自動精算機やセミセルフレジは、単に会計を機械化するためのものではありません。
人手不足を補うためなのか。
受付スタッフの負担を減らすためなのか。
患者さんとの接点を見直すためなのか。
レジ締めや違算のストレスを減らすためなのか。
移転やリニューアルに合わせて受付導線を整えるためなのか。
目的によって、選ぶべき製品や連携方法は変わります。
大切なのは、最初から機器を比較することではなく、自院の受付業務や会計業務のどこに負荷がかかっているのかを整理することです。
そのうえで、必要な機能、連携方法、設置場所、患者さんの導線を検討することで、自院に合った自動精算機・セミセルフレジを選びやすくなります。
自院に合う自動精算機を知りたい方、自院のお悩みから最適な製品を見つけたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
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