【歯科医院向け】磨きがかかる！歯科衛生士の採用・育成＜第2回＞ Case.1

歯科衛生士歴19年！セミナー講師を多数手がけるお二人が、歯科衛生士の採用・育成について、三回にわたりお届けします。

昨今、歯科業界では衛生士不足が叫ばれています。
皆様の医院ではどのような対策をしていますか？
実際、歯科衛生士さんはどんな環境なら働きやすいのでしょうか？

第2回では、 様々な状況の歯科衛生士さんにお悩みを聞いてきました。

今回は、【ケース①】 DHさんの出産・育児休職からの復帰を医院でアシストして活躍してもらうには？をお届けします！

お悩みを解決するお二人をご紹介

我妻 美夕紀先生（あづま みゆき）＜写真左＞
日本歯周病学会認定歯科衛生士/ 株式会社Bless you 代表取締役
臨床歴19 年、研修講師歴10 年。
前職では自由診療専門の歯科医院で、開業時の幹部社員として採用され、約10年間採用と育成に携わる。
2015年から歯科衛生士向けの研修講師として活動しており、これまで約2500名の方が受講。

道坂まや先生（みちさか まや）＜写真左＞
歯科衛生士/ 株式会社Bless you 代表取締役
アパレル会社、市役所勤務、ホテルラウンジ（ANAインターコンチネンタル）と様々な業種での社会経験経て、マナー、メンタルヘルスを学ぶ。
シングルマザーで子育てをしながら、歯科助手として働いた事がきっかけで歯科衛生士を目指す。
歯科衛生士国家資格取得後、チェアサイドで臨床と訪問歯科に携わり、現在は訪問歯科、高齢者歯科、MFTなど様々なセミナー行っている。
▶ 道坂先生のInstagramはこちら

ケース①DHさんの出産・育児休職からの復帰を医院でアシストして活躍してもらうには？

女性が多い職場、歯科医院。
出産・育児・介護などで、休職し復帰するまでにはスタッフも医院側も、お悩みが多いのではないでしょうか？
今回は、道坂先生がお悩みを抱える歯科衛生士さんにインタビューし、実際にあったケースをご紹介しながら、長く働ける環境のヒントをご紹介します。

歯科衛生士を一旦辞めることになったワケ

■回答者：ベッキーさん（仮名）
DH歴11年目
自分の歯のコンプレックスで社会人経験を経てから歯科衛生士学校へ25歳の時入学。
自分の矯正も考えて矯正歯科に入る。
その後、一般歯科に入るが、矯正の医院とは内容などが違いギャップに苦しむ。
現在は子育てに専念中。

――  株式会社Bless you 代表取締役 道坂まや先生（以下、道坂先生）
ベッキーさんこんにちは。
早速ですが、出産と育児で一旦、DHをお辞めになったとお伺いしました。
続けるのが困難だと思った理由はなんでしょうか？

―― ベッキーさん
一言で、出産育児休暇と言っても、自分の衛生士のスキルや、周りの協力などに大きく左右されるのを、実感しました。
私の場合は、子育てと勤務の両立をしながら、自分のスキルアップをする余裕がないと分かったので、一度辞める選択をとりました。

――  道坂先生
現在育児休業されてるとの事ですが、今後復帰する予定はありますか？

―― ベッキーさん
戻りたいと思っていますが、戻るスキルがないと感じていて復帰できるか不安です。
また、それまでにもいろいろな事が積み重なって、辞めたいと思うようになりました。

――  道坂先生
どんなことがあったんですか？

―― ベッキーさん
出産前、院長が「産休や育休に協力する①」と言ってくれたので就職を決めたのですが、入って2カ月で妊娠が分かり、ほとんど仕事を覚える間もなく出産することになりました。医院に迷惑をかけたくなくて、実際は2カ月で復帰しました。

――  道坂先生
それは大変でしたね…！
復帰後はお仕事を覚えて、スムーズに働けたのですか？

―― ベッキーさん
それが、私がいなかった2カ月の間に一人辞めてしまって、もともと新人同然の私が戻っても、仕事を教えてくれる雰囲気ではない忙しさだったんです。

――  道坂先生
残されたスタッフさんは人数が足りない状態で、尚且つお一人辞めてしまっては、
相当苦しい2カ月だったんではないですか？

―― ベッキーさん
そうだったみたいです。
そこで、一人のDHさんが時給を上げてもらう交渉②を院長に申し出て、了承されたようでした。

――  道坂先生
時給があがったという事で、スタッフ２人だけで働く事は納得されていましたか？

―― ベッキーさん
最初はそうでしたが、2カ月の産休のあと復帰してからは時短も許されず、実力がないと言われてばかりで、やはり私が休んでいた間は相当忙しかったのではないかと思います。
それで、2人目の妊娠を期に辞める事にしました。

歯科衛生士と子育てを両立、続けるためには何が必要だったのか

――  道坂先生
どうしたら続けることができたと思いますか？

―― ベッキーさん
もともと私自身も矯正歯科から一般に転職したので、入ったときから足手まといのような感じでしたが、自分のスキルアップ③をする時間が欲しかったです。

――  道坂先生
出産、育児ともなるとその時間を確保するのは大変ですよね。

―― ベッキーさん
あと、勤めている医院に役立つスキルを磨きたいと思うのですが、そうなるとどうしていいかわからないんです。
自分だけセミナーを受けたりしても、医院に戻ると医院のやり方ができてない③私は、結局お役に立てないんじゃないか？と感じました。

――  道坂先生
それは、まわりの人に教えてもらうことはないんですか？

―― ベッキーさん
先輩もよくわからないまま、ここまで来て「教える事はできない」と言われました。
なにより忙しすぎてそれどころではなかったです。④

――  道坂先生
人材を育成する制度や、産休育休に対する十分な理解があれば、続けることができたと感じますか？

―― ベッキーさん
もちろんです。
もともとは自分の通っていた歯医者さんで、院長の人柄も良かったことで転職を決めましたから、きちんと仕事を覚えて医院に貢献したかったです。

現役歯科衛生士講師からのワンポイントアドバイス

• 　Bless youポイント1　
  産休、育休制度はどの企業でも義務づけらています。
  手続きも重要ですが、実際にスタッフが産休を取った場合のシュミレーションが大事です。私たちBless youならプロの目線で綿密な打ち合わせが可能です。
  
  
• 　Bless youポイント2　
  時給が上がった時の喜びはほんの一瞬！
  むしろ「時給を上げてほしい」というスタッフの言葉には何かしらの不満が隠されています。
  
  
• 　Bless youポイント3　
  衛生士自身が勉強したい事が、医院で必要なスキルに直結するとは限りません。
  スタッフ全員が同じ方向を向いた人材教育を受ける事で一体感が生まれ、医院の安定した雇用、売上につながります。
  
  
• 　Bless youポイント4　
  忙しい医院でのスタッフ教育は教育するスタッフのスキルも必要。院長にすべて任せるのも負担が大きいですよね。

いかがでしたでしょうか？
出産・育児を経ても働き続けたい、スキルアップしたいと考えている衛生士さんは多いのではないでしょうか。

スタッフさんに長く働いてもらう事や、スキルアップすることは、医院側にも大きなメリットとなります。歯科衛生士さんが抱えるお悩みを院長先生にも知っていただき、辞めない環境作りにお役立てください。

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